ページビューの合計

2012年10月23日火曜日

運命の女

前出のインファナル・アフェアの続きというか、
3部作の中で、最も深い話になっている、過去を描いた「無間序曲」について
もうちょい書きたいなとおもったので・・・
(ネタバレ有り)


この作品は、アンディ・ラウもトニー・レオンも出ておらず、
この二人が若い時の話で。

その若かりし時のアンディラウの役を、海老蔵も真っ青の
アジアの若手ではNO1お騒がせプレイボーイ!?の
エディソン・チャン。
いやーめちゃくちゃカッコ良いです。

そのエディを翻弄させる「運命の女=ファムファタール」がマリー姐さん。
そしてそのマリー姐さんをカリーナラウが演じている。
ややこしいけど、トニー・レオンの実生活でのパートナー。

そして、若かりしトニー・レオンの役を、台湾の「あすなろ白書リメイク」で掛居くん役を演じた、これまたイケメンのショーン・ユーが演じてて、
この若手イケメンの二人がまた良い!

1では描かれなかった、一途な思いの恋愛感情とか、
サムがあそこまでのし上がったギリギリの賢い駆け引きの方法とか、
ウォン警視の苦悩が丁寧に描かれていて、
ファミリーとは何か?とか、
誰をどこまで信用するか、どこを裏切るか、自分の人生の勝負どころはどこか?
そういう駆け引きとかが、ホントに深い。深い、深い・・・
インファナル・アフェアはこの「無間序曲」を見ないと話にならんくらい、
全てがすごい。


エディの「マリー」という女性への永遠の憧れみたいなものが、
これまた上手く描かれていて、
この「マリー」なる運命の女の存在は、
このインファナル・アフェア3作通して、
最初から最後まで一貫してるものだから、
あのリメイクも、それを描いて欲しかったなと思う。

しかし、この無限序曲の超イケメンエディを見ると、
日本でリメイクしたキャストの香川照之はやっぱミスキャストだろー。
っておもってしまうんだよね。

1と3はストーリーの面白さとかがメインだと思うんだけれど、
2だけはちょっと作りが違う。

ホントに脚本が秀逸で、映像も美しい。
香港ノワールの真骨頂ともいえるような映像と、
些細な所作みたいなものが、物語のキモになってる。
(屋台で杯をあげる場面とか、ピストルを差し出す場面とか。
単純だけれど、その動きが意味があって、本当に圧巻)

そしてこれは、3作通していえるけれど、
「宗教観」っていうものをすごく上手く使ってる。
1の冒頭では萬佛寺で、「君達の前途を祝して」とここで祈願をしており、
3では、香港では有名な天壇大仏に北京の売人を招待して、
「ここは香港一風水の良い場所」「位牌を買うのに最適」と

「宗教心」というものを、香港人は重視しているんだ。
ということを、すごく顕著に表しているのかもしれない。
日本でもヤクザ映画では必ず「組」事務所の中に、神棚がまつられているけれど、
ここまであからさまに「神」に願う。という部分はなかなか表現しないけれど、
ここまでやって良いと思うんだけどね。


そして、日本ではヤクザ映画の「女」はどうしても
「極道の某・・」的な感じの登場方法だけれど、
そこもこの話は若干違ってくる。

物語の最初も最後も中締めも、
全て、運命の女「マリー」絡みで終わるこの映画は、
決して香港マフィアを描いた男くさい映画ではなく、
多分、運命の女に翻弄された、一人の男性の地獄を描いた作品だから、
なんとなくロマンチックさも残しつつ、広く支持されたんだんだろうな。