ページビューの合計

2012年8月13日月曜日

愛と激情のフランス


先日、自分の中でNo1フェイバリット映画、Betty Blueをみてきました。

デジタルリマスター版が公開になっているので、楽しみにしていたのですが・・・

ネタバレ?(とは言わないか?)になってしまいますが、
インテグラルを見た人にはハッキリいって物足りない。

あの映画は完全版じゃないと、特に後半のベティが壊れていく過程が良くわからず。
子供への執着=のぞむものを得られない。という感覚が、わからないまま、
いきなり、ただ壊れていく気性の激しい女が描かれている感じになる。

なので、正直始めての人にはおすすめしないし、
綺麗な画像で見たいというのはあるかもしれないけれど、
なんか、はしょって切り繋いだ感は否めず、大きいスクリーンでもなかったので
少々がっかり。

しかしそうはいっても、あらためて見て
(というかDVDも持っていてすでに何十回と見ているのだけれど)
ジャン・ユーグ・アングラードってこんなにカッコ良かったっけ!?
という感覚に。

そりゃそうだ。私がこの映画を始めてみたのは20歳の時。
20歳から、外国人の30代半ばの人をみると、すごく大人に思えるけれど、
今みると、普通に恋愛対象でいける訳で・・・

この間、「汚れた血」でのミシェル・ピコリを見た時も
初めて見た当時(20歳)は「どうしてこんなオッサンに、ジュリットビノシュは夢中」っていう設定なのか?と思ったけれど、今見るとなんとなくわかるわ。

そして、やっぱり何度みても秀逸なのが、この映画のロケ地。



以前から行ってみたいと思っていたけれど、この間ググったら、
この、前半の象徴的なバンガローの風景のある土地が南フランスのGruissanというところで、
なんと、私が以前フランスW杯で、良くわからないままたどりついた、
Sète Balaruc Les Bains, というところの近くっぽい上、地形も似ている!


ここに行った時に目が覚めて、街を歩いていて、
「ベティブルーの世界だ・・・」と思ったほど。

やっぱり近場だったんだ。と。

そして後半のピアノ店のあの街は、まさにフランスのど真ん中の、
「これぞただしい欧州の小さい街」っていうような
Marvejolsという街らしい。

うーん、行きたくなってきた。

この映画は、とにかく夏のこの季節に、BGMならぬ、BGVとして流し見するだけでも良い。

美しいフランスの風景と、Gabriel Yaredの音楽。
それにテキーラ・ラピド。で一気にフランスに心が飛べる感じ。

あの、向かいあってピアノを弾くシーン、

車のボンネットの上に座って「ケツ(アソコ)をあっためてんの」と挑発するシーン
(デジタルリマスター版ではカットされてる)

バンガローにペンキを塗るシーンや、
綺麗な丘の上から、彼女のバースディを祝って、愛し合う場面。

どれもこれも素敵で、単なる激情する恋愛の物語ではないのが、
この映画の人気の秘密。

彼の才能を信じて、自分のささいな幸せを夢見るという、
女性としての原点のような恋愛は、
今のこの現代の世界では、なかなか得ることができない人の方が多いのかも。

だから映画の中の熱情に憧れて、リアルの世界をしばし忘れたい人が、
こんなにもいるのかな。