正直なところ、蒼井優?どんな役どころ?
原作にそんな設定ないんじゃないの?
とは思ったものの、原作でいうマリー役を
「そうやって登場させたか!?」と想像以上にうまい設定の仕方で、
それ以外は原作とほぼ同じ。
カメラアングルから、オフィスのブースの雰囲気、
最後のビルのエレベーターで殺される場面のアングルなどまで、
ほんとに忠実で、
原作ファンも納得の行く仕上がりだったんじゃないかと思う(←上から目線、何様ですんません苦笑)
ハッキリいって、同じインファナルアフェアのリメイクである、
ディパーテッドより良い。あれはホントに「え!?」な感じだったからね。
そこでマークウォールバーグ!?っていう・・・
ただ、やっぱり難をいえば、二人の恋愛の絡みというか、
和久井映見じゃないだろー。(というかあんなに簡単に恋に落ちるもんか?)
的なことや、
結局、香川さんは、蒼井優をどう思ってたん?っていう
中途半端な男女の愛情みたいなのが残念というかなんというか・・・
前にも書いたけど、原作の基本は「運命の女に翻弄されて警察に入った男」の
話がメインである訳だし。
それと、いつも思うのが、日本人の映画監督って、
ホントにその主人公を構築してない気がする。
たとえば小説を書く時でも、主人公を設定したら、たとえ文章にかかなくても
「この主人公は、こういう家族構成で、こういう生い立ちで、こういう趣味があって、
こういう音楽を聴いて、こういう服装が好きで、こういう部屋に住んで、こういう食べ物が好きで、学生時代はこういう感じの設定で・・・」と
考えた上で作り上げていかないと、絶対に読み手に何か伝わらないんだと思う。
特に映画やドラマって視覚からそういうのが入るから、
服装とか、雰囲気とか、ホントに気を配らないと、「え?」になったりして、
そもそも、
「こういう雰囲気の男性が、こういう女の人好きになる?」
てなノリになっちゃうんだよね。
一番それを感じたのが、あのエリカ様の「別に」事件のクローズドノート。
たまたまCATVでやっていた時に見たのだけれど、
あの時のスタイリストがもうほんとにヒドイ。
確か、地方のある小さい街の小学校の先生。
という設定の竹内結子だったのだけれど、
20代の女性の、いくらちょっと地味目であっても、
「そんなオバちゃんみたいな服装するか?!」っていう感じで、
(膝下のスカートにおばあちゃんみたいなニットのポロシャツ)
さらに、それを伊勢谷友介扮する、お洒落な感じのイラストレーターと
恋に落ちているということなのだけれど・・・
うーん、そもそも、こういう人が、こういう服装のこういう人好きになるかな?
と思うんだよね。なんでそういうことも考えて、
主人公の人物設定してスタイリングしなかったんだろう?って。
服装とかって、その人の趣味とかかなり出るから。
いくら地味な小学校の先生。という役であっても、あの服装は無いだろ。
沢尻エリカくらいの普通の清楚なカッコで良かったのに。
(あの映画はそういう清楚な役なのに、アダモステみたいなカッコで舞台挨拶させられたことが、彼女はご立腹だったと思う。私ならまずあの舞台挨拶は出ないわ)
話は脱線したけれど、主人公のそういう設定って大事で、
ダブルフェイスの「うーん」な点は、
香川照之の年齢だったと思うんだよね。
だって、どうみてもオッサン。
いったいあれ、何歳の設定だったの?
(蒼井優も「おじさんだよー。うんと年も離れてるし」って言ってたしね)
すでに結婚してても良い歳の設定だろうし、
警察という公務員組織に居るのなら、
もっと早い段階で、政略結婚をしむけさせるとか、
普通しないかな?
若くみつもって35歳くらいの設定だったとしても、警察に入ってすでに10年以上。
(原作では、すでに一般人の小説家の女性と婚約中という設定。)
そういうことを考えると、やっぱり香川照之は、
ちょっとあの役をするにはオッサンだったような気がするけれど、
じゃあ他にだれ?と言われると、
日本の俳優は、大人っぽさを売りにしてないので、
30代前後であの役がこなせる人なんか、なかなか居ないんだよね。
まあ、そんなことまで考えたらキリが無いですが、
単純に良いリメイクだったと思います。
一番ナイスキャスティングだったのは、小日向さんだね。
原作の「サム」も、「ニコニコしててヤクザの親分ぽくない」って人が
「親分」ってとこがミソだった。
小日向さんは秀逸だったね。めっちゃ怖かったし。
でもダブルフェイスしか見てない人は「え!?ここで終わり!?」ってなるだろうなぁ・・・(苦笑)
やっぱり最後の「終極無間」までリメイクしてください。