頑張ってる自分へのご褒美として、新幹線で1時間以上の場所のところには緑車両を使うのであーる。
特に仕事をおえて帰京する時に、このゆったり車内でプッシュりするのがたまらない。
しかも大阪ともなれば、私の大好きな粉もん、
東京ではお目にかかれないイカ焼きを購入して、
ビールと一緒にたしなむのが至福の時という、もはやオッサンの楽しみに近い状態になっているのだ。
先日も大阪からの帰り、ビール&イカ焼きを購入し、飛び乗るように乗り込み、
ビールをプシュリンコして、イカ焼きにかぶりついた瞬間に、あれを思い出した・・・
そう、2ケ月くらい前に購入したとある雑誌の「お弁当特集」である。
ちょうど、その本の発売直前に、小山薫堂氏の語る弁当の話をラジオで聴き、
内容もリンクしていたので購入。
薫堂氏が崎陽軒の社長から聞いた、崎陽軒のしうまい弁当は「実はご飯に一番力を入れている」という話には目から鱗であったが(その内容は雑誌には出てなかったはず)
目から鱗どころか、この雑誌には腰を抜かした1ページがあったのだ。
そう、この弁当特集には、色々な著名人が、好きな弁当を紹介しているのだ。
お笑い芸人や女優、俳優やフードコーディネーター・・・
オダギリジョーのレコメンドする、おにぎりがまた素敵で、「おにぎりになりたいわぁ」と思うほど、おにぎりを持つ手が色っぽい。
しかーし、
腰を抜かした1ページはオダジョーのおにぎりページではない。
そう、女優や俳優やフードスタイリストにまじって、サッカー界から唯一の登場。
宮本恒サマである。
私が男だったら、もはや嫉妬すら覚えないほどの完璧さを持つ恒サマ。
ぐうの音も出ない。とは彼に対する言葉なんじゃないかと思うのよ。
顔良し、スタイル良し、頭良し、家柄良し、その上、スポーツ万能どころかプロサッカー選手になり、日本代表にまで登りつめていて、
これ以上何をのぞむのかと・・・
歌舞伎役者や元横綱の娘を尻目に、恒様も弁当をレコメンドしてるではないか・・・
「おぉ、いったいどんな弁当だ?」
「意外とシンプルなものを・・・箱寿司?」
そう、東京生まれの私は今ひとつ箱寿司文化がわからないのだ。
「へぇ、今度買ってみようかな?」
「で、いくらなん?」
・・・・・・・・・・
「は!?」
3360円!
どっひゃー!である。どっひゃーー!!
かなりの人数がこの雑誌内で弁当をレコメンドしているものの、
フードスタイスト的な人2名を除いたら、ツネ様、最高値だよ!?
しかも、何人前か入って3360円なのかと思って、なんかこの弁当の箱の比率まで、
何度も確認してガン見てしまったほど。
一応、箱二枚とあるからこれが2段になってるんだろうか・・・
謎である。
2人前だとしても、もはや、絶対に自分では買うことのないラインを越えている。
そもそもイカ焼きの10倍の値段ではないか・・・・。
そして、
「仕事で東京に向かう時は、百貨店内の支店でこの箱寿司を購入してから乗り込むのがお約束」
「東京には無い寿司なのでお土産にも喜ばれますね」
土産としても買ってるのか・・・・
恒様。お土産にくださいよ。
しかも書かれている文章がすごい。
「元々(160年の伝統の有るこの店と)家族が知り合いだった」
うんうん、まずそこで、「家族が知り合い」ってのがもう・・・
ここがもう本物のセレブならではの文章だ。
家柄が良いセレブ・・・となると、この本では、
どこぞの元アイドルの彼氏といわれる歌舞伎役者や、横綱の娘が弁当をレコメンドしているが、彼らは決して高くないものをレコメンドしている。
おそらく「ここで変に高級なもんレコメンドしても、どうせ元々金持ちだからでしょ?感じ悪いわぁ、って思われてもいやだし、かといってあまり安いのも貧乏臭いし、
叙々苑弁当くらいが無難よね?」
っていう感じなんだろう。
もし私も、どこぞのタレントの娘で、親の七光りタレントだったとしたら、
そんな感じで、あまり高くないものをレコメンドしたであろう。
しーかーし、恒様のようなホンモノのセレブはそんなことは一切考えないんだと思われる。
「え?弁当特集?」
「じゃあ、家族も知り合いだし、いつも買ってるし、あそこの箱寿司でいいかな」
って感じで、もはや値段なんか考えてないんだろうというのが、手に取るようにわかる。
そう、これがセレブなのだ。
グリーン車に乗る人としての、余裕のある振る舞いとしては
決してイカ焼きを片手に飛び乗りとかせず、
余裕もって、箱寿司を購入し、車内でもゆったり過ごすのであろう。
以前、とある漫画家がテレビで「ダイエットに成功した秘訣は、とにかく綺麗な人のブログとか見まくって、綺麗な人がやってそうなことを真似した」と言ってたのは
すごく腑に落ちる。
しかし、どんなにマネしても超えられない「本物のセレブという名のハードル」
は存在するのだ。
たかだか弁当特集ではあるけれど、恒様に、その見えない超えられないハードルを、
あらためて見せつけられた感がした。
「恒様、3360円の弁当は庶民には買えへんよ。」
私は、この間の大阪からの帰り、その箱寿司の記事を思い出し、
若干せつない気持ちでイカ焼きを平らげたのである。。
けれど、おそらく次も、帰りに買うのはイカ焼きだ・・・・