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2012年9月30日日曜日

悔いの無い生き方

再発された、フェイバリット映画の「バベットの晩餐会」
先日DVDを購入しましたが、いやぁ・・・
20年以上前に見た時も思ったけど、ホントに
言葉にできないほどの素晴らしい作品。

このアマゾンのレビューでもあるように、本当に見終わった後、
立ち上がれないほどの感動なのである。



当時、すでに20年以上前、まだ日本ではヴーヴクリコすら、
あまり知られていない頃だったはず。
そんな昔に映画館で見て、
あまりの素晴らしさに脳裏に焼き付き、忘れられない映画に。

DVDも、フレンチのシェフが買っていると噂で、
中古で6万とかで出回るほどの超高額であったのに、
再販されず、ようやく・・・。

しかし、あらためてこの映画を鑑賞すると、
本当に至高のグルメ映画というだけではなく、
上質な恋愛映画でも有った訳で、
その深さや意味が、20年前の、まだまだ子供だった自分には、
やはりまだ理解できなかったけれど、
今となっては、見終わって号泣してしまうほどの、「愛の成就の形」に
打ちのめされてしまうことになるとは・・・

おそらく、実生活で、普通に恋愛を成就させて、
家庭を持ち、そこそこ仕事でもまあなんとか成功して、
「自分の人生も、まあ悪く無いなぁ・・・」って思ってる人は、
こんな愛の成就の形は
「バッカじゃねえの?、リアルに愛を形にして得てこそじゃんか。」
と思うのかもしれないし、
「某巨大ダディ」などという、本能のままに、結婚してたくさん子供作って、
離婚して再婚して・・・っていう話が大好きな
現代の日本人には、もはや、この映画の中の話など、
「竹を切ったら女の子が出て来た」くらいのナンセンス度なのかもしれない。

むしろ、そういう人達の方がリアルな現実は幸せなのかと思うけれど、
この話の崇高さがわからない可哀想な人でもあるなと思ったりする訳で。

そして、芸術に関してのくだりも、心を打たれる。
自分もモノを作る仕事をしているので、
「貧しい芸術家は居ません」という最後のくだりもすごく良かった。

声楽家だったり、料理人であったり、デザイナーや絵描き。。

そういう、世の中では、さもすると「無駄」と思われるものは、
時として、人の心を揺さぶってそれで金銭を得るのだけれど、
まず、「音楽には全く興味が無い」
「芸術とか意味がわからない」
「デザインなんかしてなくて良いから実用的なものを」
「普通に美味ければ料理にはこだわらない」
と思っている人は、
この映画は見なくていいのだと思う。

とにかく映像自体も美しい。
いや、映像というより、その構成の仕方が絶妙なんです。

映像はホントに殺風景な北欧の田舎の漁村。
白黒?と思うほど、木々の緑も出てこなければ、
北欧にはありがちな、カラフルな家の壁も屋根の色も、
洋服の色に至っても、モノトーンなのである。

そうやって、わざと無駄な色目を排除し、
後半の豪華な料理の色や艶や質感を際立たせているのだという。
まさにシャンパーニュの微妙な色合いや泡立ちまで手に取るようにわかる。

登場人物もそうだ。ほとんどが老人。
しかし、後半給仕をする、まだ子供のような男の子だけが、
ブロンドヘアーで美しい白い肌をしていて、
その淡々とした給仕っぷりがまた愛らしくもある。

この物語は登場人物の感情は抑えめで、悲しい場面でも、嬉しい場面でも、
ただ淡々としている。
それがまた、その人物達の過去や秘めた熱い思いを際立たせているのだと思う。



人生には、必ず帰路に立たされ、どっちの道に行くか?

の選択を迫られる時があって、
そして、自分の進んだ道が正しかったかどうか?を確認する時にぶちあたった時、
もし自分の選んだ道にその時後悔したとしても、
その間違いを認めても良いんじゃないか?。
ということをこの物語は伝えているんだと思う。

敬愛する甲本ヒロト氏の歌の歌詞に

「悔いのない生き方は、後悔の繰り返し」

というくだりがあるのだけれど、
まさにこの映画の言いたいことはそこなんだと思う。

この映画は、前出の、「自分の人生にそこそこ満足していて、後悔は無い」という人には
おそらく心を打たないと思うから、おすすめしないけれど、
ちょっとでも見てみようかなと思った方には、
ヴーヴクリコとは言わなくても、
好きなシャンパンかカヴァ、もしくは赤ワインと、サバラン。
上質なチーズなんかを、
キッチンに用意して置いてから、見るのが良いと思う。


決して食しながら見てはダメ。

でないと、見終わった後、立ち上がれないほどの感動を、
立ち上がらせる理由が無くなってしまうからね。



2012年9月24日月曜日

お一人様に厳しい国


昨日から今日にかけて、千葉の館山の方に1泊してきました。

先月は、千葉の銚子に1泊。






先月は、こーんな感じの、なんだか新しくできたとか言う、
某高級風なホテル?に1泊してきたのだけど、
うううううんん、






いっけん良さそうでしょう?
お風呂とか、よさそうでしょう??





でもね、サービスがなんかイマイチすぎるというか・・・

まあ、2万程度ならなんも言わないんだけど、
4万取ってこれ?みたいなサービス。

「お一人様ですから」と、

「一人なら高くて当たり前でしょ。」的な雰囲気ぷんぷん。


もうこれは速攻友人にもメール送ったのだけど、

朝ご飯の時に(そもそもビュッフェじゃない時点で微妙)
「冷たいお飲物お持ちしますが、ウーロン茶、緑茶、牛乳、オレンジジュース、何が良いですか?」ときかれたので、

「じゃ、オレンジジュース。」

と言って出て来たのが、昨今ビジホでも見ない、果汁2%とか以下の
オレンジ色のジュース。

もう、ひっくり返りそうになった。
偽オレンジジュースの宿。二度といかないわ。


気を取り直して。っていうか、今月は館山の手前の某所に。

でもって一人で泊まれる良いホテルってなかなかないのですよ。

お一人様設定が無いのよ。日本は。

んで、見つけた「コンドミニアム」的な宿。
お一人様でも気兼ねない感じ。

おお、良いじゃんか!?と思ったのだけど、オフィシャルHPでぐぐっても
お部屋の写真が曖昧な感じ。

でもまあ良いか。と思って土砂降りの中、アクアラインをつっぱしり、
館山道を延々と・・・。

んーん。
まあ、想像通りというか・・・・

海は真ん前。そしてこの辺りではまず無い10階以上の建物なので、
オーシャンビューで眺めは良いんだけど・・・

部屋が、なんか、生活感バッチリ。。
蛍光灯がこうこうと・・・

多分みんなそうだと思うんですけど、旅行にいったら、せめて自宅より
生活感の無い空間を味わいたい。

なのに、自宅の何倍ものこの生活感。

落ち着かない・・・落ち着かないのよ。
すごく良い感じのオーシャンビューなのに、なんか無理。



ここのコンドミニアム、大浴場も一応温泉でオーシャンビュー。
朝ご飯もなかなか良いのに、
部屋だけがホントに残念。もったいない。
晴れてるとこんな感じで富士山まで見えるのに。




一人なら、オッサン臭のする、
せまーいビジホに泊まれば良いじゃんっていう発想なのかな?

特に嫌なのが、地方の温泉地とかの旅館。
一人ではまず泊まれない。
一人設定あっても、部屋が、布団部屋みたいなとこだったり・・・。
めっちゃ高いとか。

その点海外に行くと、ホテルは「一部屋いくら」っていう設定。
下手すると、二人なのに、「1KING BED」みたいな部屋だったり。
「お前一人かよ?」って顔もされないし。

都市部じゃなくても、まあまあ趣のあるホテルも多いし。

なんで日本ってこういうシステムなの?
お一人様いくらで必ず2人以上で、1泊○食付き?なの?

みんな旅館でご飯必須なの?旅行は全員2人以上でいってるの?

変じゃんか?

なので、日本にはもう期待せずに、海外に行く時はできるだけ好きなとこに泊まりたいなと思う。

今行きたいのは、もしアメリカに行くことがあれば、

TWIN PEAKSで「グレートノーザンホテル」という名称で使われた、ここ。
Salish lodge&spa

まんまだもの。

うーん、でも、ここもそもそも一人で泊まる感じのとこじゃないかな。

映画「東京タワー」での黒木瞳の
「結婚して良かったと思うのは、一人で食事をしなくて済むことよ」
っていうセリフじゃないけど、旅行の時もそう思うわ。
一人じゃなければ、もっと安く良いホテルに泊まれて、食事も楽しめたかな?
って思うことがあるけど。まさにそうかも。

まあ、海外でも、サッカー見に行ったり、買い物なんかは一人のが気楽だけどね。

ってことで、来年は2泊とかでシンガポールあたりに
洋服買い出しに行こうと思ってます。